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生活習慣病の定義

平成8年12月、従来の成人病が、生活習慣病という呼称に変わりました。これは単に呼び名の変化にとどまらず、成人病の定義が、加齢に伴って生じることに重きを置くのに対して、生活習慣病のそれは、ライフスタイルの乱れに重きを置く点で異なっています。

確かに、加齢に伴って、病気になる確率は高くなります。しかし、加齢が直接の原因になるのは、細胞分裂の際のDNAの転写ミスのような、純粋な生物学的ミスによって引き起こされたガンなどに限られることに鑑みますと、成人病の多くは、食生活の内容や運転不足、喫煙、飲酒のような、ライフスタイル上の生活習慣に関連した病気といえます。また、主として成人以降の病気であったものが食生活の変容で低年齢化してきたことから、成人病の定義を拡張する必要が出てきました。そこで、成人病のような、広範な病気をその定義に含めるとともに、年齢域を成人に絞らず、しかも病気の原因が名称に乗るように、従来の成人病を再定義したのが、生活習慣病ということになります。

ところで、人間が最適な健康を維持し続けていくためには、循環器系、神経系、免疫系、ホルモン系が常に最適な状態に置かれている必要があります。どの系がバランスを崩しても、最悪、病気として発現してしまいます。そして、病気の発現は、実は、習慣化された生活風景以外でも起こり得ます。それが、現代の高度ストレス社会から招来する病気です。従って、個人的には、生活習慣に加えて、病気の原因となりうる生活環境をも取り入れた上で、再再定義して、ライフスタイル病と呼ぶ方が、現代においては、よりしっくりくるように思われます。


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Posted by 夏国 at 20:54